外国語 ラテン語 新約聖書 138×192 クロス装 1979年4月25日に出されたローマ教皇ヨハネ・パウロ二世による使徒憲章『スクリプトゥラールム・テザウルス』(Scripturarum Thesaurus)によりNova Vulgataと呼ばれ、カトリック教会の公認本文となったラテン語新約聖書です。ギリシア語新約聖書で有名なエーバーハルト・ネストレ(Eberhard Nestle)は、1906年にNovum Testamentum Latineを発行し、その後クルト・アーラントが引き継いだことで、本書もネストレ・アーラントの名を冠することになります。この版は第3版で、2014年に刊行されております。
第3版においては、ラテン語テキストに変更はありませんが、NA28との対照版の聖書に合わせて組版を更新し、また2版まではラテン語のみであった序文が、ドイツ語と英語に訳されました。また、アーラント夫妻の引退により、この版よりネストレ・アーラントの名が削除されました。 ウルガタの歴史は、「ラテン語 聖書 ウルガタ 第5版 5303」に書かせていただきましたが、ウルガタが1546年のトリエント公会議にて正典と認められ、テキストとして1592年のクレメンティナ版が公認本文でした。しかし、近代写本学の進展及び新たな有力な写本が発見され、ワーズワース・ホワイト・スパークスによって、1954年に「Novum Testamentum Domini nostri Iesu Christi Latine secundum editionem S.Hieronymi(聖ヒエロニムス版に基づいたラテン語による我らの主イエス・キリストの新しい契約)」が刊行され、また、1969年にはシュトットガルト版ウルガタ(Vulgata Stuttgartiensis)として、「Biblia Sacra iuxta vulgatam versionem(ウルガタ諸版からの校訂本聖書)」が刊行されております。 第二バチカン公会議の決定を受けて、教皇庁ではクレメンティナ版からのラテン語聖書刷新を始めました。1970年から新約聖書の各書が順次刊行され、1979年までに完了し、前出の使徒憲章により公認本文とされました。 本書は、Nova Vulgataの刊行を受けて、テキスト本文をNova Vulgataとし、欄外の脚注(apparatus criticus)を加えた校訂本で、1983年に初版が刊行されております。