教会博士」の名誉を受けるリジューのテレーズ。 彼女はおよそ、博士といわれるような学識の人ではなく、ノーベル賞の対象となる社会功労者ではありません。また、人々の尊敬の対象となるような高徳の尼僧というものでもありませんでした。北フランスの小さい町、リジューのカルメル会の一修道院の中で、その隠れた一生を神にささげつくした修道女、というだけのものでした。 テレーズの偉大さは、自分の偉大さではなく、自分の貧しさを知る謙虚さにあらわれる神の愛の偉大さでした。 長きにわたる研究によってリジューのテレーズの知識を深く蓄えた著者 シスター菊池による尽きることのないテレーズの知恵の泉。