著訳者など: H.キュンク著 矢内義顕訳 出版社: 教文館 税込価格:2310円 (本体価格: 2,100円) 判型:四六判/196頁 ISBN:978-4-7642-6723-7 初期教会で活躍した女性使徒や女性預言者はどこに消えたのか? マリア崇敬はいつどのようにして始まったのか? 魔女狩りはなぜ行われたのか? 避妊や堕胎、離婚の可否、聖職者の独身制や女性の叙階など、今日的な課題への具体的な提言にまで踏み込んだ画期的なキリスト教女性史。 「長いあいだ、カトリック教会において、ひとは女性を理論と実践において貶め、中傷してきたが、しかし同時に彼女たちを利用し尽くしてきた。いまこそ、教会においても彼女たちに帰すべき尊厳とふさわしい法的、社会的な地位を保証する時である。」(本文より) 【目次】 緒言 第一章 原始キリスト教における女性 1 一つの歴史─女性たちについても 2 イエス─女性たちの友 3 ユダヤ人キリスト教のイエス運動における女性たち 4 いかなる家父長的な位階制もなく 5 暫定的な組織 6 使徒そして預言者としての女性 第二章 初期の教会における女性 1 パウロの場合の女性使徒と女性預言者 2 女性の位置をめぐる争い 3 グノーシス─女性たちにとっての一つのチャンス 4 歴史の敗者─女性たち 5 再発見すること─女性殉教者─女性預言者─女性教師 6 女性たちにとってのもう一つの生き方 7 さまざまな陰の側面 8 キリスト教による女性の開放? 9 今日の論拠としての伝統 第三章 中世の教会における女性 1 アウグスティヌス─原罪がセクシュアリティを堕落させること 2 性道徳の厳格主義 3 宗教間にまたがる問題 4 独身男性たちの教会と結婚の禁止 5 トマス・アクィナス─女性─欠如した何か 6 家族、政治、経済における女性 7 教会における女性の撃退 8 疑われる神秘主義 9 マリアへの崇敬の飛躍的な発展 10 エキュメニカル(超教派的)なマリア像? 第四章 宗教改革時代における女性 1 ルターの改革の根本的な衝撃 2 女性が置かれた状態の変化 3 男性と女性の共同 4 相変わらずの家父長的な社会構造 5 カルヴィニズムとアングリカニズムにおける女性 6 「教派」における解放? 7 魔女としての女性たち 8 魔女狩りの責任は誰にあるのか 9 魔女狩りの理由 第五章 近代そして近代以降における女性 1 哲学的な革命と女性 2 政治的な革命と女性 3 産業革命と女性 4 教会は女性の解放を阻止したのか、それとも促進したのか? 5 近代カトリシズムにおける状況 6 近代プロテスタンティズムにおける状況 7 近代以降の世界情勢への移り行き 8 フェミニスト運動 9 教会への批判的な問い 10 将来の教会─自由・平等・兄弟姉妹の共同体 11 具体的な改革の要求 12 あきらめてはならない!