聖母マリアやエヴァと並んで、マグダラのマリアは、西洋世界で最もポピュラーな女性である。娼婦であった彼女は、悔悛して、キリストの磔刑、埋葬、復活に立ち会い、「使徒のなかの使徒」と呼ばれた。両極端ともいえる体験をもつため、その後の芸術表現において、多様な解釈や表象を与えられてきた。貞節にして淫ら、美しくてしかも神聖な、〈娼婦=聖女〉が辿った数奇な運命を芸術作品から読み解く。図像資料多数収載。 書誌データ 初版刊行日2005/1/25 判型新書判 ページ数248ページ 定価880円(10%税込) ISBNコードISBN978-4-12-101781-9