贈りものをさがすのはこっそり。雪が降るといいなと願う部屋の中のしずかさ。 手袋をして戸をたたくしずかさ。ツリーに明かりがともる瞬間の息をつめたしずかさ。 暖炉の前で本を読むしずかさ・・・。 「しずかな時間」って、なんて豊かなのでしょう! クリスマスのしずかな時間を描いた絵本、と聞くと 薄暗い雰囲気や厳かな感じしか思い浮かばなかった自分の想像力の狭さを反省してしまいます。 ドキドキしたり、ゆったりしたり、はりつめていたり、幸せな気持ちだったり・・・ クリスマスには様々な色を帯びた、特別な「しずかな時間」がたくさん存在していたのです。 夜だったり、朝だったり。雪の降る夜道だったり、あたたかな部屋だったり。 気持ち良さそうなふわふわな毛で覆われたくまさんやうさぎさん、もぐらくんやふくろうくんたちの 言葉に出さずとも可愛らしい表情や動きだけで、その「しずかな時間」がどんな時間なのかを 伝えてくれます。 おやすみ前の「しずかな時間」にぴったりな絵本ですね。 前作『しんと しずかな、ほん』『にぎやかな ほん!』と合わせて読むのも楽しそうです。