アメリカのキリスト教は、不思議だ。 トランプ大統領が登場したとき、みんなそう思った。 「福音派」という保守的な宗教右派の人びとが、アメリカには大勢いて、 トランプ大統領を当選させたのだという。 「福音派」ってなんだろう。日本にそんなものは存在しない。 想像しようにも、考える手がかりがない。 宗教「右派」ってなんだろう。「右派」というなら、「左派」もあるのだろうか。 そもそも「右派」「左派」は、政治の話ではないのか。 宗教に「右派」があるというのがわからない。 よって、トランプ大統領がなぜ、登場したのかわからない。 要するに、アメリカがわからないということだ。(中略) そこでこの本を書くことにした。(「はじめに」より) 現代アメリカの「なぜ?」を理解するために 植民地時代から現在に至るまでを丁寧にたどり、解きほぐす