「異常な反抗」を防ぐ科学からのアドバイス 現在の子どもたちの〈反抗〉は「正常な反抗」と「異常な反抗」のハイブリッド型です。 ・聞き分けがなく金切り声をあげて泣き叫び、叩いたり噛んだり、モノを投げつけたりして親に逆らう早期反抗を示す魔の2歳児。 ・親に激しく口答えして抵抗し、言いつけをまったく聞こうともしない身勝手な中間反抗期の小学生たち(いわゆる魔の9歳)。 ・学校や、友人同士では陽気に話をして人気もあるのに、家では「ダサい」などと言って親とは一切口を聞かない中学生。 ・「親子密着型」で家では反抗しないのに、学校の先生や友人には「すぐにキレ」て暴力的になる第二反抗期の高校生。 その反抗は「正常な反抗」なのか、「異常な反抗」なのか、区別がつきますか? 子どもたちの衝動的な問題行動(社会的な反抗)も、1980年代以降、目に余るほど多くなってきました。 ・校内暴力(生徒間暴力、対教師暴力、器物損壊)や家庭内暴力、不登校や引きこもり、などの非社会的な反抗。 ・非行の数々(万引き・窃盗・強盗・援助交際・衝動的な傷害殺人など)といった反社会的な反抗。 ・些細な理由による親の殺害、「だれでもよかった」通り魔的殺人、といった理不尽な反抗などなど。 "なぜ、それを自分で抑制(我慢)できなかったの?" これが本書の重要なキーワードの一つです。 本書は、まず基本的に変わらない「正常な子どもの反抗期」の姿を説明し、さらに最近の「異常な子どもの反抗」の態度と行動、その原因および対策、特に重要な原因として、家庭教育が〈子ども中心〉に流されて機能不全になった経緯、その改善策などについて、詳しく解説しています。ここでの「異常な子どもの反抗」は、あえて犯罪を犯すような「反社会的反抗」といった意味合いも含めています。「異常な反抗」には「すぐにキレる子どもたち」が大きく関与しており、ハイリスクの子(危険度の高い子)といわれるこの子たちは性格上「自己抑制力の脆弱性」と「身勝手」と「社会性の欠如」が特徴的で、この性格的欠陥は、成人になっても引きずっていて、社会人になってからも様々なトラブルを起こすもとになっています。「正常な反抗期」を経過するか「異常な反抗」の道をたどるかで、その後の子どもの人生は大きく変わります。反抗期までの育て方が何よりも大事で、それには家庭教育が重要なかかわりをもちます。特に子どもの脳の発達についての正確な知識とその応用が大いに役に立つでしょう。解説は大変にやさしく、だれにも理解でき十分納得できます。