[多様な読み方が可能な詩編を、最新の聖書協会共同訳で味わうための道先案内ができればとの願いを込めて企画されました] 既にキリスト教会で詩編に親しんで来られた方にも、新しい発見があるでしょう。また、聖書はよく知らないが、その真ん中にドンと構える詩編は様々な文学作品に引用されるなど、気になる。詩編に一体どのように取り組めばよいか、きっかけを探している方も、お手にとってご覧ください。 聖書協会共同訳の詩編の翻訳事業に携わり、各専門分野の第一線で活躍中の執筆者による、それぞれの視点からの行き届いたレクチャーが、詩編の豊かな世界に誘います。 目次 『詩編をよむために』 ●「詩編の基礎知識 構成、技法、研究史、そして……」飯 謙 詩編に使われる聖書特有の技法、また詩編全体の構成、詩編研究の歴史まで最近の傾向にも触れつつ解説します。 ●「詩編に親しむ 心に泉を」春日 いづみ 歌人として、日本語の“うた"としての詩編の魅力について、幾つかの詩編と、日本の歌人の作品にあたりつつ語られます。 ●「川のある風景」石川 立 3つの「川」のほとりが描かれた詩編を取り上げ、読者と共に味わい、具体的に読みとれる事柄を示します。 ●「天を仰いで神に歌う 悲しみ、嘆き、報復の詩がなぜ詩編にあるのか」石田 学 詩編の中に幾つも見られる、信仰者によるものとは思えない嘆きや呪い、報復を願う言葉から、今を生きる上で多くの事を考えさせられます。 ●「詩編を日本語で味わう 「典礼聖歌」を手がかりとして」西脇 純 グレゴリオ聖歌から日本語の典礼聖歌まで、カトリックの典礼において詩編がいかに大切にされたかを、その歴史と広がりと共に追います。