フランスの精神を伝える寓話への誘い。 在仏40年の編著者は、フランス各地に伝わる民話・説話をそれらになじみの薄い日本にも是非知ってもらいたいとの思いで魅力的な 18 編を集めた。“善”と“悪”、神に報いられる人々、聖書の中の登場人物等が親しみ深く語られる、キリスト教的博愛主義に培われたこれらフランス文化の息吹を感じて欲しい。また現在も根強く残る各地のパガニスム(土俗・異教文化)の説話もあり、歴史・文化的資料としても興味深い。編著者自筆の挿絵も美しく、子どもから大人まで楽しめる内容となっている。 ●目次 箱舟の名残 ヒワがもらったご褒美 消えた子供をよみがえらせた聖人 巨人ホック・ブラ ソーヌ川の水の精 パリを救った羊飼い コリガンの贈り物 たった一つの胃袋 雨を呼ぶガルガンチュア フランスが愛する馬上の聖人 モンマルトルの聖ドニ 怪獣タラスクを滅ぼした聖女 復讐がまとう黒い影 魔王の賭けに応じた大天使 染物屋と悪魔 魔法使いのはた織り 土木技師の悪魔 蛇がいない島